都内に小さなオフィスを構える特殊な結婚相談所――Libera(リーベラ)Research&Matching。その所員である桜は、相談所の登録者を装い、ワケアリ登録者とマッチングしてそのワケを調査するリサーチ班の班長をしている。人を騙す天性の才能を持つ桜は、お金を貯めていつか海外で暮らすことを夢見て…

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▶ストーリー概要および物語の設定

都内に小さなオフィスを構える特殊な結婚相談所――Libera(リーベラ)Research&Matching。その所員である川豪かわごうさくらは、相談所の登録者を装い、ワケアリ登録者とマッチングしてそのワケを調査するリサーチ班の班長をしている。人を騙す天性の才能を持つ桜は、お金を貯めていつか海外で暮らすことを夢見ている。そのため毎日ワケアリ登録者を騙す仕事に精を出していた。

ある日、桜は二十代女性を相手の条件とする四十代社長令息とマッチングする。そしてその男の傲慢さ、女性を見下す態度などを徹底リサーチし、リサーチ班だけに許される『マッチング不可』の烙印を押す。しかしその結果に不満を持った令息が相談所に乗り込んで暴れてしまう。桜は所員として自ら男の前に姿を現し、『マッチング不可』の理由を叩きつけるのであった。

その日の夜、桜は仕事の同僚で体の関係を持つ丹羽にわ光太郎こうたろうに告白され、仕事を辞めるように言われる。しかし桜はその申し出をあっさり断り、次の仕事に向かう。桜にとって理想の恋人は同じ夢を持っている人間。丹羽は海外暮らしに興味がなかったのだ。桜は最初から丹羽と付き合うつもりはなかった。

桜の次の仕事は持病を抱える青年画家、松葉まつばあおいとのマッチングだった。余命宣告を受けた松葉は死ぬ前に結婚前提の恋愛をしたいと桜に打ち明ける。元気になったらあれがしたいこれがしたいと多くの夢を見ている松葉に惹かれた桜は、松葉を表面上『マッチング不可』とするが、事務所を通さず自ら松葉の恋人役を買って出る。

しかしそのことがリーベラの所長の神取かんどりにバレ、三日三晩のきついお仕置きをされてしまう。神取は所長としては穏やかだが男としては苛烈で、元々体の関係がある桜の本気の恋愛を許さなかった。桜はそれでも松葉が亡くなるまで恋人役を続けた。松葉の遺した絵画を譲り受けた桜はそれらを全て売り払い大金を手にする。

もはやリーベラで働く理由がなくなった桜は、神取の反社会的な交友関係を丹羽に暴露する。桜は気付いていた。丹羽が実は神取を探っている密偵であり、だから桜に近づいたのだということを。それから桜は消えるように辞職し日本をたった。

全てのしがらみから解き放たれ、リーベラの悪女は夢の海外生活を手に入れたのだった。