タイム・パトロールの刑事が犯人の女性と恋を落ちます。恋に堕ちるのです。恋に墜ちてしまうのです。それだけです。

 私はタイム・パトロールの刑事だ。時空への不法侵入者を逮捕するのが仕事だ。それなのに、不法侵入者の女を愛してしまった。

 もう離れられない、永遠に離れられないのだ……たとえ、この身が地獄の業火に焼き尽くされようとも、彼女を愛さずにいられない。


 応仁の乱で燃え盛る十五世紀の京都を舞台にした本作品は、不法侵入者の美女を追う一匹狼の刑事という構図から、二十一世紀に蘇った令和版『ブレードランナー(擬き、または亜流、それかエピゴーネン)』と一部で囁かれておりましたが、遂に日の目を見る機会に恵まれました。どうか、その目でお確かめください。この表紙文章が、事実であるのか、否かを。