残業ばかりのブラック企業で働いている自覚あり。先月には結婚しようと思っていた婚約者に二十四歳の誕生日に浮気現場を目撃して不幸のどん底にいるのOL、望月 華恋(もちずき かれん)は会社からの帰り道、残業と接待を終えてコンビニで買った缶ビール片手に歩いていると、路地裏に倒れている男性を発見する。
すぐに駆け寄り、怪我をしていることに気づいて救急車を呼ぼうとするものの止められてしまい、仕方なくアパートへと連れて手当てを行うが、そこで全身に刺青が入っていることに気づく。
名も明かずに冷たい態度を取り続ける彼に不満を抱きつつも華恋は献身的に世話をする。
そして二日後「世話になった」「必ず礼はする」と言い、連絡先と"九条"という名前を残して去っていく。
今後、関わらない方が身のためだと思った華恋は九条に連絡することはなかった。
そんなある日、借金を肩代わりさせようとする元彼に復縁を迫られていた華恋の前に現れた黒塗りの車。中から出てきたのはあの時とは高級そうなスーツに身を包んだ男だった。
九条 紅炎(くじょう こうえん)と名乗った男はなんと元彼が金を借りたヤクザの若頭だった。
紅炎はあの時の礼だと華恋を助け、そして紅炎の私有物だという豪華なホテルへと案内する。華恋は警戒することもなく紅炎の家に行くが、そこで紅炎に「もっと警戒しろ」と押し倒されて……!?
放心状態の華恋が家に帰り、いつもの日常に戻れるかと思いきや、紅炎はどんどんと華恋との距離を詰めてくる。
何故か本家に連れて行かれて紹介されたり、たまたま参加したパーティーで女性と歩いている紅炎を目撃してしまい、関わらないようにしているのに紅炎に振り回されっぱなしの華恋。
その後、紅炎に愛されているのは私だと豪語する佐々木 莉央(ささき りお)に絡まれるも見事に撃退。
無表情だった紅炎が華恋の前だけで見せる特別な表情を見ていくうちに次第に紅炎に心を惹かれていき、紅炎も華恋の気持ちに答えるように無口な彼からは想像できないほどに過激な愛情を向けられていく。
そんな時、敵対する宇賀神組の組員に拉致された華恋は、そこの若頭であり紅炎に敵対心を懐く百瀬 氷河(ももせ ひょうが)に結婚を迫られる。
しかし間一髪のところで紅炎に救い出されて、紅炎への気持ちを認めて彼と結ばれる。