時は大正。衰退した男爵家大宮家の次女である八重子は、とある華族の家に女中として奉公に出ることになる。その家は伯爵の爵位を持ち、美貌の男性が当主を務めているという国でも指折りの名家。名を入江家。入江家の当主である清は齢三十になるにも関わらず、独身を貫く変わり者。さらには、彼は冷血な性格だと有名…もっと見る