「どうしてわたしなんかを――……?」問いかけると、年下のはずの彼は、すこしだけ大人びた微笑を見せた。「ひみつ。だってあなたに、もっと僕のことを考えてほしいから」宵国は、月仙女・姮娥娘々の加護を受けて栄える国だ。蘇紅月は、算術好きの変わり者。そのせいで婚約者は棄てられ、二十五歳になる今も…もっと見る