明治乙女の逃避行

作者穂菓つみき

明治25年の秋、
美しく彩り始めたイチョウ並木が街を包み込むころ、華族のお嬢様として生まれ育ったハル子はお父様に結婚を言い渡される。

結婚が嫌でたまらないハル子のせめてもの望みは、女学校を卒業すること。
しかし、それが叶わぬ夢だと知ったハル子は、幼馴染の蒼生と結託して契約結婚を企むことに。

蒼…


明治25年の秋、

美しく彩り始めたイチョウ並木が街を包み込むころ、華族のお嬢様として生まれ育ったハル子はお父様に結婚を言い渡された。


結婚が嫌でたまらないハル子のせめてもの望みは、女学校を卒業すること。

しかしそれが叶わぬ夢だと知ったハル子は、幼馴染の蒼生と結託して契約結婚を企むことに。


蒼生との関係は至って順調にみえ、距離感に戸惑いつつも、なにもかもが上手く進んでいると思っていた。


ところがある日、お父様から想定外の命令が下される。

それは蒼生との関係を白紙に戻し、お父様の望む男性と結婚しろというものだった。


逃げ道を塞がれたハル子は、やがて決意する。



自らの人生を謳歌したいと願う、少女の物語。