教師である桜井栞(しおり)の元へ、4月から槙(まき)が新任の校長としてやってきた。彼は桜井の恩師であり、彼女が教師を志すきっかけをつくった人物だった。 新校長の歓迎会にて、桜井は酔った勢いで自分のあり方に迷っている現状を吐露し、槙に「毎日ひとつ質問させてください」とお願いする。先生は指切りをし…もっと見る
「……桜井?」
「先生、私を振ってください」
先生のシルエットがぴたりと止まった。
白い波が私達の足元を瞬く間にさらっていく。