幸せに満ちていたある家庭に襲いかかった、残酷すぎる事件。
あの日から来栖仁朗は胸の内を隠すようになった。葬儀スタッフとなった現在もそれは変わらない。

仁朗に寄り添うフラワーコーディネーター・橘悠介もまた、優しすぎて世間の毒に耐えきれずに――。

弱さを抱えた人々が織りなす、痛々しくも切ない物語。…

【痛みに満ちているからこそ、この世界は美しい。】