小林結芽、13歳。
お父さんの仕事の都合で飼い犬のハルと一緒に、おばあちゃんの住む海辺の小さな町で暮らすことに。
「ハルが一緒に学校に行けたらいいのに」
転校初日の夜、そう呟いたら……
「結芽ちゃん!おはようっ!」
ハルが人間の男の子になっちゃった!?
***
「あたし、浅間咲っていうの。よろしくね」
仲良くしてくれようとする女の子に、
「あんた面倒くさそうだから、俺別んとこ行くわ」
カッコいいけど、ちょっと意地悪そうな男の子。
そして……
「うん、僕は結芽ちゃんのことが好きだよ?」
いつでも真っ直ぐ正直で、明るいハル。
「友達になるのが怖いんだもん……」
過去の出来事に塞ぎ込むわたしに、
「僕はいつだって結芽ちゃんの味方だよ」
もう一度頑張ってみてもいいの……?
──ハルといっしょに。