大正警視庁正門前みたしや食堂

作者森原すみれ

時は大正。西洋文化が花開いた帝都。

警視庁中央部に赴任した若き警察官 龍彦は、正門前で食堂を営む女主人 満乃と出逢う。
満乃が作るのは、食に頓着しない龍彦をも惹きつける、ハイカラな西洋料理だった。

喧嘩っ早い龍彦と意思を曲げない満乃は、時にぶつかり、時に認めあいながら交流を深めていく。
そんな…

「悪知恵働かせて搾取する野郎なんざ、荷車喰らって当然だろ」

「人の矜持を踏みつけにする無礼者に出すものはございません!」