駆け出しの文芸編集者であるユキは、多忙を極めた仕事や何かと規制の多かった生活の気分転換にと、かつてよく行っていた音楽フェスへ一人ふらりとやってきた。ボルテージが上がる会場を懐かしくも新鮮に楽しんでいると、雑踏の中で不意に忘れられない香りとすれ違う。途端、かつて恋人だった大切な彼との日々を走馬灯のよ…