若葉 花。中学2年生。

昔から夢見がちだと言われていた。

ファンタジーな物語が大好きだった。

妖精や魔法や魔術を信じてた。

……大きくなっても。


だけど大人に近づくほど

わたしの夢は……周りから浮いていく。


そして気づく。


あれ?

わたし…もしかしてイタイ?

これって、いわゆる中二病ってやつなんじゃ??



そして、わたしは決めたの。

変わるって。

転校を機に、中二病は卒業する。

普通の話をして、普通に青春するんだ、と。


なのに、それなのに……

となりの席の東雲くん。

ずっと【魔術書】を読んでるんですけど!?



「すごい!この呪文、術がスムーズに出せる。

若葉さん、もしかして天才!?」


「……いえ、ただの中二病です」


◇◆◇◆◇

元中二病少女と、なんだか訳アリ少年のちょっと不思議な青春ものがたり