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好きな人が私を好きって奇跡……そんな奇跡に出会える人は、一体どのくらいいるでしょう。雅さんは高校三年生のときに出会ってしまいました。運命の相手、本当に好きな人。だけど、本気で愛すれば愛するほど、その人を傷つけてしまう……そんな未来が待ち受けていると知って、互いに踏み出せるでしょうか、正直な気持ちで見つめ会えるでしょうか。序盤は雅さんの生涯でたったひとつの『恋』が語られます。成就することのなかった想い、気持ち……それを雅さんは大切に抱え続け。やがて本人の努力や、周りの優しい人々に救われ、歩き出せる。いろいろな形の『気持ち』に出会う。本当の幸せを思えば雅さんはアルベールにも慎哉お兄さんにも残酷だと思いました。でも誰が責められるでしょう。本気で誰かを愛すれば、我知らず誰かを傷つけている。だけど人はそうやって繋がっている。そうやって救ったり救われたりして、優しい絆を結んでいく。秋の夜長にオススメの恋愛小説です。好きって気持ちの本当に大切なことを語っている物語だと思いました。