縁側に二人で。

作者ななうみ

目先の悲しみに囚われて今までの幸せな日々を忘れてしまわないで。それを慈しむ事が出来るようになったその時、本当の意味で悲しみから解き放たれるから。






この世には、生きている人間には誰一人と知られていないルールがある。






死者が彼岸へ渡る際、生者の事を強く思うことができた死者にのみ、一日だけその生者の元へと帰ることができると言うものだ。







本日その条件を満たしたのはたった一人。







その者は自身の死後から二ヶ月先のある一日だけ帰ることを許された。







さて、その者が自分の言葉を使ってどのような事を伝えるのか。






そして生者はどのようにして足掻きながら前へと進むのか。








私は遠くから見物させてもらおうか。