彼と関係を

持ち始めたのは


六月の或る日


梅雨時


窓の外で

降っている雨は



ときに激しく


ときに切なく



音の響きを

変えていた――


彼の声は擦れ

私の声は喘ぐ


私と彼の間には

他のものを

寄せ付けない


独特の空気があった




濃密な、蜜の、記憶




少女の心の中




追憶の世界




恋に取り残された

一人の少女




少女の物語





※物語の進行上とはいえ、多少、官能的な要素を含みます。

苦手な方はご退出ください。