華月
空気と景色と小鳥と空と
「大きい」とか「広い」という印象のある詩集です。
「空気と、景色と、小鳥と、空と…」
と、冒頭に書かれているフレーズが物語るように、
自然が表現されている詩が多いです。
読むことで景色が再現され、私たちはこの世界(然)の中で生き、生かされているのだなぁと感じます。
一方で、物語的な詩。男女の心情の綴られた詩もあり、共感出来る部分だったり、艶めいた詩もあります。
元々、小説を書かれている作者様なので、ボキャブラリーや言葉選びにも目を引きました。リズムも滑らかです。
作者である茂さんの、人としての深さが感じられる詩集だと感じました。