散り菊のはじまり、[完]

詩的な世界 高校生の青春の恋 誰にでもあるような恋 だけど、とても儚くて美しくて 詩的な言葉で綴られる独特な世界観が、センスを感じさせました 先輩との関係が、少しずつ変化していく過程が、素敵な言葉で表現されています 夏の香りがする、心に残る恋のお話でした

美しいはじまり――… かっこいい先輩。 どんな美少女にだって興味なくて… まさに女の子の憧れの存在！ だけど、そんなクールな先輩が なんとも愛おしく描かれてありました。 そして何より主人公が可愛らしい！ 最初はコミカルに、 でも最後はしっとりと… 流れる季節のように 文体も美しくゆったりと変化をとげて まるで吸い込まれていくような感覚でした。 最後の線香花火には、夏の終わりを感じさせつつ、 恋のはじまりをも予感させる。 なんて洒落た終わりなのだろうと思わず唸ってしまいます。 散り菊の後に、恋の花が咲いていく… 詩的センスも含んだ、綺麗で美しい物語でした。 素敵な短編をありがとうございました★

伊東ミヤコ

2010年8月25日

先輩好きには、たまらない 憧れていた先輩から、いつのまにか妹のように扱われるように。 それは、端から見ればうらやましいことに違いないんだけど、自分にとっては切なくて……。 そんな王道な設定が、現代風にカラリと描写されていました。 先輩の一挙一動もすごくリアルで、先輩好きは、いちいちときめかせられること間違いなし（笑）。 ラストの想像はつきましたが、最後まで主人公の女の子と共に、くすぐったいようなドキドキ感を味わうことができました。 おすすめ！