あーちゃんのわすれもの~3573~「完結」

作者tsuyuki

いつまでも元気だと思ってた貧乏で・・・旅行にも行ったこともないあーちゃんいつまでも元気だと思ってたのに 痴呆になったあーちゃんが忘れたもの僕があなたに届けます

あーちゃんって呼んでた 

母親のことを


気がついたら そう呼んでた


あーちゃんって呼んでたのに

母親のことを

いつか「ババァ」「オバハン」「お前」って

呼んでた


僕は親から何も

もらってないと思ってた

一人で生きてきたと・・・・・


最近わかったことがある

65歳になってたこと


幸せかって聞いたら

なんて答えるんだろう?


ビンボーだったから

旅行なんかも行ったこともない


幸せかって聞いたら

なんて答えるんだろう?


なぁ あーちゃん

あーちゃんが僕をわからんかっても

あーちゃんが僕をわすれても


僕はあーちゃんをわかってるから


大丈夫!何度でも教えてやる


痴呆で僕を忘れても

僕がいつでも 何度でも

教えたる

僕があーちゃんの息子やって

何度でも言ってやる!