Kiss strawberry.Ⅳ―The later story.―【完】

作者まーちん



「頼りないかもしれませんが、俺と結婚して下さい」




21歳の冬、私はタクにプロポーズされた。



凄く謙虚な言葉で、


堂々と私の目を見て言ったタクは、


視線を落として私の右手の薬指に婚約指輪を通す。






『まだ返事してないし…』




ボソッと言った私の言葉に、

指輪が第二関節の途中でピタっと止まった。





タクの胸に手を当ててみると、

バクバク心臓の音が手に響いて来た。





『緊張する?』


「あぁ。…返事は?」







『はい』





嬉しくて笑顔で返事をすると、


私の右手の薬指には婚約指輪が輝いた。