門田モン

【門】主人公の性格が演出したのどかな感覚
自称辛口批評家です。
非常に評価するのが難しい小説の依頼を受けた――が実感です。「ほのぼの」感を狙って書いた作風が見受けられるから。
感じるのが一人称書きであるにも拘わらず、主人公の性格を著す為なのか何故か第三者的に自分を捉えてるように伝わり、感情が直接的に訴えて来ないんですね。
会話文はどうなんでしょう? 全体的にぎこちない不自然さを感じました。
そういった意味(良い意味)では少し違った味わいがあります。
読みやすいですね。一定の文章の長さに拘っているのかリズムを大切にしている感じ、それに伴う体言止めも比較的多いかな、なんて感じました。(擬音も少ない印象)
物語は何気ない高校生活に飛び込んできた主人公にとっての初恋、有りがちですが先輩や家族を背景に上手く纏まっていると感じました。
読み終えてほのぼの感と爽やかさは確かに残ります。しかし何か物足りない感じ、途中にニヤリとしたりワクワクした感覚がないんですよ。
読ませる小説、だけど主人公の性格が支配した少しぼんやり……というのが私の印象でした。