嘘つき少女の落とし物

作者鬼灯 薊








人は大切なものを失ったら、どうなるのだろうか。





目が覚めて、

大切な人がいないことに気づいた時、

或いは大切にしていたものを奪われた時。




大切な“もの”、というのは即物的なものに留まらない。





もしかしたら人かもしれないし、時間とか価値とか。

手に触れられないもの、掴めないものだってある。




でもその大切なものが、

他の誰にも、ものにも変えられない

自分しか持っていなくて自分を型どるもので、

自分の全てを表すものだったら。





私は、どうなってしまうかなんて。

そんな事、問うてみたところで私にも誰にも、

知り得ないことだ。