中央線の思い出

作者十二郎

中央線で暮らす男の片思い。
大学院生の時に知り合って6年。
彼女は完璧なモデルになった。
ため息混じりに片思いを続ける男の焦れったい物語。

私も彼女も永遠の時は生きられない。


一度、お時間をいただけませんか?


そういうべきなのだ。

もう、彼女と知り合って6年になる。

私は大学院生、彼女は大学生だった。

あの時はモデルですらなかった。


こんなブ男なのだ。

だが、彼女の前だけ、可愛くいようと思う。

心が苦しい。


彼女は長身でモデルなのだ。

完璧だった。


だが、世界で彼女を足利まで応援に行ったのは、私だけなのだ。


一度、お話できませんか?


そういうべきなのだ。


心が苦しい。頭痛がする。


幕張は寒かった。


コンシーラーを買う。

黒子だけは隠したい。

老けたくない。可愛くいたい。

可愛く痛い。そうそれでいい。


彼女の帰国を誰より待っていたのだ。


お手紙を書きたいのだ。


家を出る時から、すべて完璧というのは、無理だと思った。

準備だけで1日が終わってしまう。


彼女の前だけ、完璧でいよう。


薬局でコンシーラーを買った。


私が探すと、その棚にはアイライナーしかないように思われたが、薬局のお姉さんは適切なコンシーラーをすぐに見つけてくれた。


幕張本郷から中野までは遠いしゃべる言葉を整理しよう。