想いは剣よりも強く。

作者toyoko

『好きな子としか、しないから』
気持ちがない事くらい分かっていた。
だけど、好きが溢れて仕方なかった。
時代を超え、こんなにも愛しい人ができるとは思わなかった。

  • コメント
  • しおり447






史実通りなら、

あなたは私を好きになったりはしない。

私は、ここにいない人間だから。

もしも歴史を変えてもいいと言うのなら、

あの日、あの場所へ、

この身を挺してでもあなたを行かせたりはしない。

あなたには、生きてほしい。





『…おいで』


そう言ってあなたは、

縁側に腰を掛けたまま、私に手招きをした。


『近藤さんには内緒だよ』


そう言ってあなたは、

こっそりと私を遠くまで連れて行ってくれた。





気が付けば、空が広いこの時代にいた。

写真でしか見た事のない人物や風景、

文字でしか理解していなかった時間。

それらの全てが、

生きている。動いている。流れている。

今から百五十年も昔を、

今として生きているあなたに、

私は心を奪われた。