源義経黄金伝説 第6回■西行、重源に頼まれる!

作者飛鳥京香

義経は人生において、常に逃亡者である。居場所がない。世の中には彼に与える場所がない。

義経黄金伝説」 第6回


第2章2 1186年 鎌倉


 西行の頭の中に奈良での会話が思い起こされた。


一一八〇年の平家による南都焼き打ちにより、東大寺及び大仏は焼け落ちていた。

 都の人々は、何と平家の横暴なことを考えた。

また、貴族の人間にとっては、聖武帝以来の、いわばふれざる東大寺を焼き打ちする平家の所業が人間以外のものに思え、また自分のために属する階級に危機が及んでいると考えざるを得なかったのである。

 東大寺大仏は硝煙の中、すぐに再建に着工され、すでに大仏は開眼供養が一一八五年、後白河法皇の手で、行われていた。

大仏を囲う仮家屋や、回りの興福寺を中心とする堂宇の修復が急がれていた。今、南都は建築ラッシュを迎え、活気に満ちていた。