源義経黄金伝説 第8回■西行、文覚と争う!

作者飛鳥京香

義経は人生において、常に逃亡者である。居場所がない。世の中には彼に与える場所がない。

「義経黄金伝説」第8回

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第1章8 一一八六年(文治2年) 鎌倉


 頼朝屋敷を出ようとすると、背後から声が掛かる。西行は後方を振り向く。

「西行殿、ここで何をしておるのだ」

聞いたことのある声だが…、

やはり、、頼朝の荒法師にして政治顧問、文覚(もんがく)が、後ろに立っている。傍らに弟子なのかすずやかな眼差しをした小僧をはべらしている。

「おお、これは文覚殿。先刻まで、大殿(頼朝)様と話をしておったのだ」

「話じゃと、何かよからぬ企みではあるまいな」

 文覚は最初から喧嘩腰である。

文覚は生理的に西行が嫌いだった。西行は院をはじめ、貴族の方々とも繋がりをを持ち、いわば京都の利益を代表して動いているに違いない。その西行がここにいるとすれば、目的は怪しまなければならぬ。

「西行、何を後白河法皇(ごしらかわほうおう)から入れ知恵された」