生徒と教師の恋なんて、小説やドラマの中の話だと思ってた。
そもそも、生徒をそういう風に見るなんてあり得ないしダメでしょう。
「先生のこと、好きだよ。先生は?」
「え……!?」
夕方の教室。部活動に励む生徒達の声を遠くに感じながら、男子生徒に告白された。
ベタでありふれてて、だけどときめかないわけがない理想的なシチュエーション。相手が、七つも年下でなければ。
「恋の仕方なんて、もう忘れたよ」
何もかも自分への言い訳だった?
「心じゃなく頭ばかりで考える。こんなの恋じゃないよ……」
――私が、比奈守君と同じ高校生だったら良かったのに……。
真っ先にそう考えてしまう自分が、なんだか悲しかった。
2015.01.11~2015.04.23
ベリーズカフェ同時公開中