「千隼っ!
私を置いて行くなっ…!」
「風音……泣くな…強くなれ………もっと……もっと……俺の分まで……生きて、強くなるんだ…」
「っっ…やだっ!……行くなよ…!…やだっ!…お願い…うっ…ふっ…生きて……千隼がっ!…いないと…っっ…やだっっ…」
「風音……笑えよ……ちょ、ちょっと、おわ…かれ…するだけだから…また…どこかで、あ、える。
風…音…
愛してる。…………』
「いやーーーーッッ!
千隼っ!
千隼っっ!
やだよ……
私を一人にしないでょ……」
私の腕の中で時を終えてしまった彼の名は
南波 千隼(ナンバ チハヤ)
彼の耳に光る私とお揃いのピアス。
私達を繋ぐ唯一の証だった。
その大切な存在を私はなくした。