扉のない部屋

作者エアリエル

彼女はいつも独りだった。いつも、いつも、独りだった。





人は皆、心に扉がついている。





親しい人には扉は開き



逆に親しくない人には



扉を閉じる。





扉は人によって様々で



重いものや軽いもの



立派な錠前がついたものなど



人の数だけ扉の種類がある。









でも



扉の役目は開閉でしかなく



完全な遮断はできない。





開くことを前提として



人は心に扉を作る。





たとえそれが、きっちりと



閉じられていたとしても……。












START H25.9.2.



FINISH