売れない小説家、宮本泰司は新年早々、足取り重くも、朝食を摂りに近くのファミレスに向かって歩いていた。
毎年毎年、入選を目指して書いている小説だが、自主出版をしても身内が数冊買ってくれるだけで、他人はまだ、買ってくれなかった。
売れていないのだ。
そんな気の重い気持ちのまま、いつものファミレスで朝食を摂りながら、次に書く小説の内容や、今後の進路を真剣に考えようと決めていた。