醜いと思っていた恋心はすべて、
海に流した。
自分を失いたくないから、辛いから。
怖かった、から。
でも、海に流したものは沖まで流れて
沈むことはないと知った。
ただ砂浜に流れ着いて朽ちてゆくだけ。
けれど、それを旅人は拾い上げて、
私の元まで届けてくれた。
温かな魔法とともに。
* *