月と太陽

作者律果

──ねぇ、知ってるかい?昔々、月と太陽は兄妹だったんだってさ。

月と太陽は正反対。

そう、まるで鏡合わせのよう。


どこまでも似ていて、

どこまでも違う。


2つは決して逢い、まみえることはない。


薄い壁で隔てられて、

存在を感じれるのが哀しい

どうせ触れれぬのなら、いっそ

愛しきその姿すら見たくはない。


互いの宿命(サダメ)を知っているから


太陽は涙し。

月は微笑む。



交わりたいのに。

己の存在がそれを阻む。




決して交わることがないと


知ったから

知っているから



それぞれの想いを何かに託すのだ──……





バラバラになったお二方。

月と太陽の兄妹よ。

どうか、嘆くことがありませぬよう──