青い青い空をバックに、彼女は居た
グラウンドから、俺らは一点を見つめる
屋上の上を
誰かがぽつり言った。
彼は自分が呟いたのも気づいていないだろう。
それほど小さかった
でもその声が届くほど俺らは静かだった
「人が浮いている」
彼がそう言うと俺の隣の奴が言った
「人は浮けるはずないでしょ!?まさかの落ちてるんじゃ……」
彼女が言うのを合図に皆が騒ぎだす
でも俺は思う
浮いているんじゃない。ましては落ちてるんじゃない
飛んでるんだ
この青い空を彼女は飛んでる
風が吹き、砂が舞い上がる。それと同時に何枚もの紙切れと花びらが飛んでいた
気づくと少女はいなかった