スクリーンの中で、話題の若手女優が、顔を赤らめた。
「本物の恋をしてるんだね」
と、からかわれる、主人公。
「本物の恋」なんて、あるんだ。
って、その時、知った。
そもそも、「本物」なんて、どんな恋?
基準は何?
胸が苦しくなること?
どうしようもなく、会いたくなること?
戸惑いながらも、触れたくなること?
なに?
切ない胸の痛みも。
会いたい気持ちも。
冷たい涙も。
全部、本当だったよ。
でも。
あれは。
人に言わせれば、きっと……、
ニセモノ、の恋。
ニセモノに、しなきゃいけなかった恋。
「本物」にしてあげられなかった、恋。
アナタは、アナタの恋を本物だと思いますか?
信じてあげられていますか…?
これは、自分の恋を信じてあげられなかった、一人の女の子のお話です。