追いかけるだけでいい。
ただひたすら、消えてゆくアンタの背中を、
求めることはしない。
手に入らないものを、手にする余裕もない。
前だけを見つめるのに精一杯だ。
ああ、まだ俺達は蒼いままだ。
「ねえ先輩、見ろよ、空が泣いてる」
「うん、そうだね」
黙って俺の話を聞くアンタの横顔が、
なんかすっげえ切ないよ。
「だけど、雨はいつかあがるんだよ」
-…俺は、アンタを愛していて、いいのかな。