想い出屋

作者M.O

ある日偶然見つけた想い出屋。この出会いで初めて気付いた大切なもの。それはいつもすぐそばにあった。

本当に大事なもの・・・。


著名な芸術家の父を持ち、自らも画家を目指していた村上太郎。しかし、なかなか芽の出ない日々が続いていた。そんな太郎も、もう三十路になる。夢を追い続けていることは楽しいが先を考えると不安になってしまう自分もいた。そして、立て続けに起こった信頼できる人間からの裏切により何もかも失った。

そんな中、『想い出屋』との出会いにより一変する。

『想い出屋』で行った《物々交換》によってあるものを失った太郎。彼は失ってから初めてその大きさに気付いたが、すでに時は遅かった。

これでもう本当に何もかも失い空っぽな人間と化してしまった太郎だったが、苦悩する連続の日々を乗り越えて、どうにか失意の底から巧妙を見出すことになった。

幾多の苦しみを乗り越えてやっと本当に大事なものが見つかった太郎。やっとスタートラインに立った。