六月の雨上がりの匂いの向こうに、僕はいつも、ガソリンと機械油の入り交じった、かすかな匂いを感じてしまう。あれから、何年経ったのだろう―――。
雨上がりの匂い。
僕の記憶をざわつかせる、
匂い。
あれから、
何年経ったのだろう。
たぶん一生、
忘れられないのだろう―――。
『私は、自由に生きている人が好きなの』
僕には、
いまだに、
アナタの真意が、
よく分かりません―――。
(完結しました)