アタシのいない世界《完結》

作者

アタシがいなくても、世界は何も変わらない。だけど、アタシは認めてもらいたかった。我慢しなくていいんだよって言ってほしかった。本当は、誰かに必要とされたかった。

――アタシは誰かに必要とされたかった。

今にも切れそうな細い糸でもいいから、誰かと繋がっていたかった。


――人間みんな、同じ孤独を抱えている。

みんな脆い。アタシはそんなこと、知らなかったよ。


――こいつがいなければとか、あいつさえいなければとか、誰かの存在を否定することからなんて、何も導かれないんだから。


――全てを知りたがっても、自分以外は結局他人なんだから、そこに限界があるのは当然じゃない。


――アタシの中にいっぱいの、他人を傷つけてしまうようなひどい言葉で、破裂してしまいそうな嫉妬心で、何をしていても感じる劣等感で、思い通りにならない苛立ちで、アタシはいつかアタシに食われてしまいそうだ。


――機械になりたい。

嬉しさも、楽しさも、喜びも、悲しみも、痛みも、怒りも、何も感じない。

そしたら他人の望むアタシになれるのに。


――ねぇ、アタシがいる世界といない世界、何が違うの?