小学5年生からサッカーを始めた私(さくら)は、どこにでもいる普通の女の子。女子サッカーが知られていなかった当時は、私の存在がとても珍しがられたが、そんな視線を気にせず夢中でボールを追いかけた。
しかし中学進学を機にサッカーから隔離される運命が待ち受けていた。
『女の子なんだから』という親の意見が正しいと示すかのように、今まで一緒にボールを蹴っていた男の子たちとも会話をしなくなっていった。『さくらは女なんだから、女の子らしくしろよ』
教室から眺めるグランドで、楽しそうにボールを蹴る男の子たちを見る度に胸が苦しくなる。
“なんで私は女に生まれてきてしまったんだろう”
自分ではどうしようもできない壁にぶちあたり、次第に親を憎んだり自殺未遂をしたり・・・荒んでいく私。
サッカーをめぐり、性別の壁にぶつかりながらも、現実を受け止め、後に大きく羽ばたくさくらの成長物語。