入学式。私は自分の名前、「先野由希」を探す。「あの、私の名前が二つあるんですけど…」あれ?今なんか…『私の』に『俺の』って重なった気がしたんだけど――。
あの時…あの約束をした時。
私は、もう二度と君に会えない、そう思ってた。
先野由希。
中学の入学式で、初めてこの名前に運命を感じた。
『サキノユキ』と『サキヤユウキ』の、
奇跡の出会い。
「あの、私の名前が二つあるんですけど…」
「あの、俺の名前が二つあるんですけど…」