それは、瑛太が知っているもの全てと違っていた。男女問わず何も着ていない者がいるばかりの地で一人の少女と出会う。瑛太は、少女に何を教わり、何を教えるのか──。

───あなたのそれは、いつか、あなたを殺すことになる。

平成26年8月13日は、時期的に真夏というのにもかかわらず、涼しい日だった。それが、予告だったのか、その日、瑛太の人生は変わる。

通う高校の補習に行こうとしていたが、まだ時間があったので、近くの図書館へと出向いた瑛太は、一冊の真っ黒い本が目に入った。その本に描かれていたのは、裸の人々が飢えで苦しんでいる姿だった。思わずその本を落としてしまった。本を拾おうとした時、突然目の前が真っ暗になり気を失ってしまった。起きたら、そこは見たことのない景色だった。その時から、瑛太の歯車は狂いだす。