1000%のチカラで恋をした。

作者右遠あい

「部活を応援する部に入ってよ」
高校一年の初日。ひとを嫌いになることができない朱菜は、出席番号で挟まれた双子兄弟のひとり、蒼になぜか気に入られてしまう。そして彼のつくった〝部活支援部〟に強引に入部させられてしまう。

 ひとを嫌いになれない。
 100%のチカラで努力ができない。

 これは、そん…

 ひとを嫌いになるのが苦手だ。


 そのひとの〝良いところ〟ばかり見て、〝悪いところ〟は記憶の棚の奥底に封じ込める。


 本当はいいひとだから――って、願ってしまう。


 だけどわたしは、悪いところも含めてそのひとを好きになりたい。

 嫌いなひとだって、ちゃんといて欲しい。


 そう話すわたしに、彼は、にやっと口もとを歪める。

 そして明るい口調で言葉を紡いでみせた。



「じゃあ、おれのこと嫌いになってよ。けど絶対好きにさせるから」



 ――これは、そんなわたしと彼が部活動に奮闘する青春のお話。