春、入学式の日に、桜の木の下でたった一人で佇んでいる女の子を見た。淡い栗色の髪が風に揺れていた。中学からの内部進学者の勇希はアメフト部の仲間たちと騒いでいた。クラスで起こる問題、彼女の秘密、そして勇希の思い。淡い恋と切ない思いが交差する。
彼女について
初めて彼女を見て、桜の下で一人で立っている彼女を見てーー
春風が桜を散らして、舞い上がる中、
色白で栗色の髪が春の風に溶けていた
そんな彼女について
僕が知っていることを
関わってきた話を
書こうと思う