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まさか、賢人に指輪のこと指摘されるとは思っていなかった。291ページより
「………指輪、捨てた?」
「…………す、捨てたよ!!だって、私たち幼なじみに戻ったんだもん。つけている意味も持っている意味ないもん!!」
そんなの、嘘。
賢人との思い出を忘れるために捨てようとした。
手放しさえすれば賢人を忘れられると思っていたから。
けど、ダメだった。
手放すことも捨てることもできなかった。
捨てることなんてできない。
手放すことできなかった。
今も、コートのポケットに入ってる。
「……そっか」
「…………!!」
なんでそんな顔すんの。
泣きそうな、せつない顔。
なんで?
「私、お風呂入ってくる!!」
賢人から逃げたくて部屋から飛び出した。
「捨てたのか…………」