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「──もうちょっと、一緒にいてもいい? 外で待ってた方がいい?」誰もいないのに、ささやく様な絵里香の声。アナウンスの声は途切れ、グリーン・スリーブスの旋律だけが図書館に満ちる。私は声もなく、ただ頷いていた。