by
「あの、さっきから探しているんですけど、どこにもいないんです」
「またなの?」
「はい、すみません」 

 ザザッと雪の落ちる音がする。

「馬小屋は?」

 ザザッ。

「見ました」
「薬草園は?」

 ザザッ。

「いません」
「台所でつまみ食いしてるんじゃないの?」

 ザッ。

「そこにもいないんです」

 ザザ―ッ!

 いくらなんでも落ちすぎだろうと窓の外を同時に見た3人は、滝のように降ってくる雪と共に、燃えるような赤い髪の娘が落ちて来るのを見た。
2ページより