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白いカーテンに囲われた、純白の空間に沈む。83ページより
いまこの場を包む全てを見失ってしまわないように、覆いかぶさる先生の瞳の奥をじっと見つめた。
逸らさずに、真っ直ぐ。
焦れるような距離の中で、少し眩しそうに目を細める先生。
初めて見るその表情に、くらくらと本能が揺れるのを感じた。
「せん...せ、」
するりと、頬を撫でられる。
たったそれだけなのに全ての神経がそこに集中して、たまらずに震える瞼をそっと下ろした。
微かに鳴った衣擦れの音が耳に入ったと同時に。
静かに、唇が触れる。
「、」
思わず泣き出しそうになってしまうほど、切なくて優しいキスだった。
重なった唇は、まるで惜しむようにゆっくりと離れて。
吐息が肌に触れ合う中で、ゆるゆると瞼を持ち上げる。
間近で視線が触れ合ったけれど、もう言葉なんて必要無かった。