シェア
白いカーテンに囲われた、純白の空間に沈む。いまこの場を包む全てを見失ってしまわないように、覆いかぶさる先生の瞳の奥をじっと見つめた。逸らさずに、真っ直ぐ。焦れるような距離の中で、少し眩しそうに目を細める先生。初めて見るその表情に、くらくらと本能が揺れるのを感じた。「せん...せ、」するりと、頬を撫でられる。たったそれだけなのに全ての神経がそこに集中して、たまらずに震える瞼をそっと下ろした。微かに鳴った衣擦れの音が耳に入ったと同時に。静かに、唇が触れる。「、」思わず泣き出しそうになってしまうほど、切なくて優しいキスだった。重なった唇は、まるで惜しむようにゆっくりと離れて。吐息が肌に触れ合う中で、ゆるゆると瞼を持ち上げる。間近で視線が触れ合ったけれど、もう言葉なんて必要無かった。