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上條 一音
2021年7月17日
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「助けるんで、俺の呪いもついでに解いてくださいよ」
永遠を舐めて死ぬ【完】
/今嶌ろね
世界が宵闇に堕ちるまで残り十日。視野狭窄の症状で医師から網膜色素変性症の診断を受けた生方月子は、42歳にして自身の人生を猛追する。十年添い遂げた伴侶の不倫、子どもの素行不良、日陰者の人生において思い出されたのは大学時代、一躍人気を博していた虹島の存在。関係を持った人間は忽ち自身の不遇を払拭出来るという“歩くジンクス”に再会した月子が見たのは、二十年前と全く変わらない虹島の姿だった。 「但し、俺の呪いは本命との逢瀬で解けます」多分彼はもう長い間、ずっと死にたがっている。
孤独が人の形をして背中を丸めていたらそれは私だったかもしれない。
10ページより
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