ダルシュアンの王女・ファルトゥナは少々冷ややかで皮肉屋。
密かに思い焦がれる優しき従者・アレキッド、心開く数少ない幼子・リリスと共に、穏やかな日々を送っていた。
“もう一人の人格”を封じながら――。
受け継がれた血の呪い。
それに飲み込まれまいとするファルトゥナだが、ある晩、王族討伐の切っ掛けとなる過ちを犯してしまう。
――私の所為で、全てが終わる。
両親と共に最期を迎える事を望むファルトゥナ。
だが王妃はそれを拒み、願いを託して彼女を送り出す。
――大陸を旅し、行方不明の姉・ビアンカを捜し出すこと。
破滅の果てに始まったファルトゥナの旅。
その先に待ち受けるのは、不幸に見合うだけの光か、信頼できる仲間か――。
生きることへの葛藤、揺れ動く青年への想いを、少女の心にて綴った物語。