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壮麗な部屋の奥、書類が積み重なった卓子の前に座っていたのだ。昼間この区域で会った氷像のような美貌の青年が。長い睫毛に縁取られた切れ長の目に、青のようにも見える冷たい瞳。腰の長さの黒髪は束ねずにおろし、昼間より若干くつろいだ格好をしているが、間違いない。