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「でしたら、ロシアンルーレットでもやりますか?」
「は?」
「弾は充分入ってます。さあ、オヤジからどうぞ」

 白石さんが背中から拳銃を取り出した。彼が持っているのはいつもと違う真新しい拳銃だ。

「いや、それリボルバーやないし。それに、ワシからやったら、確実にワシ死ぬやん。
 お前、ワシを殺すつもりやな?」
「殺すつもりではなく、自害してもらおうかと」
「一緒やろが!」
「……俺達はいつまでこの茶番に付き合えばいいんだ?」
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